子どもたちが生まれたての時は、まだ、何も知りません。

こうして鉄棒でぶら下がっているのは、これまでに遊んだ時、経験したり、誰かがしているのを見たことがある、というのがあるから鉄棒を見た時、イメージして自分でできるようになります。

靴下や靴を自分で脱いだり、履いたりすることも、始めはしてもらい、そのうち、かかとの部分だけめくって、靴下の先っちょだけ引っ張れば自分で脱げる状態にしてあげると、脱げるようになり、そのうち段々とそれを一人で出来るように促していきます。

知らないことだらけの子どもたちにとっては、危険なことも、大人がしてほしくないようなことも、興味があればやってみたい!

大人からするとしてはいけないことも、子どもの中には「面白そうなこと」としか、思っていないこともたくさんあります。

だから、してはいけないこと、危険なことについては、根気よく根気よくその場面で伝えていかなければいけません。

園でも、子どもたちは「面白そうなこと」をたくさん見つけては、共感してもらったり、危ないことであれば、なぜ危ないかなどをその都度伝え、教えてもらっています。

 

以前、乳児相談員で会場に出ていた時、赤ちゃんのお母さんがじっと赤ちゃんを眺めていました。

私が「おてていっぱい動かして、ご機嫌さんだね〜。」など話しかけていると、おかあさんが言いました。

「赤ちゃんに話しかけるんですか?この子は何にも答えないのに?」「それに、何もわからないのに何を話しかければいいんですか?」と仰いました。

「赤ちゃんはお母さんに話しかけられるのがとっても嬉しいんですよ。その声を聞いて、声を出そうとします。笑いかけられて、よく笑うようになりますよ。」

「話すことは、お母さんが感じたことを伝えてあげたらいいですよ。”今日はお天気で気持ちいいね。” ”きれいなお花が咲いてるよ。” ”ワンちゃんが来たね。”お母さんが見たこと、感じたこと、何でも良いですよ。子どもは言葉がわからなくてもお母さんの話し方や表情から心地よい感じは感じているし、繰り返しきいてるうちに、言葉とその意味がつながっていくんですよ。」と、お話しました。

 

子どもは知らないことがいっぱい、だから、繰り返し見せて、伝えて、「知ってる」「わかる」を増やしていきます。

すると子どもたちは、知っていることを見つけた時、

「あ!」「あれ!」「あった!」と、伝えてくれるようになります。

これも、私たちが成長を感じる一場面です。